みなさんはジェットボイルって知っていますか?ジェットボイルとは携帯型の湯沸かし道具セットの商品名です。
通常、アウトドア環境でお湯を沸かすにはガスバーナーなどの「火を扱う部分」と、やかんやクッカーなどといった「水を火にかける容器」を別々に準備する必要があります。
ジェットボイルはそれらがコンパクトに一体化された湯沸かし特化グッズなんです。さらに大きな特徴として、どんなバーナーなんかよりもはるかに高速で湯を沸かせるのですよ。(ちょっといいすぎですけど本当に早く沸くのです)
こんにちは、ねこきんぐです。ねこきんぐは出先でお湯が必要なシーンでは必ずジェットボイルを持参します。0.5リットルが2分ちょっとで沸騰するジェットボイルは、アウトドアでの湯沸かしでホントーに重宝します。
とはいうものの、アウトドアでお湯を沸かすだけでなく、ごはん物も食べたいんだよの時には、やはりバーナーとクッカーなどの別々の組み合わせが良いのかな、なんて思うこともあります。
でもアウトドアのご飯って、ちゃんと作るとそれなりに時間と手間がかかるんですよね。横着なねこきんぐはなんとか楽して早く作りたいんですよ。
ジェットボイルが高速でお湯を沸かせるぐらい速攻で、かつ簡易に暖かい食べ物を準備したい(カップ麺除く)、そう考えた時にハタと気が付きました。
ジェットボイルの蒸気を使って「蒸気蒸し料理」を作れないかな?
検証1.パックご飯を温めてカレーを作ってみる
パックごはんって便利ですよね。お米を炊飯するのはそこそこ時間と手間がかかり面倒ですが、パックご飯ならあたためるだけで出来上がりです。
それでもパックご飯を湯煎するとなると時間はかかるんですよね。容器には平気で14分湯煎せよとか書いてあります。
ネット調査してみると、「お湯を沸かしたその蒸気でパックご飯をあたためる」手法が紹介されていました。この手法をジェットボイルを使って実験してみましょう。ごはんのお供はレトルトカレーにします。
準備するもの
- ジェットボイル
- パックご飯(180g)
- レトルトカレー
- ナイフ
- 皿
まず蒸気がパックご飯の中を通るように、容器にナイフで切り込みを入れます。こんなかんじで容器の表側は1センチ幅で短冊の切り込みを入れ、底の部分には中央に大きく十文字に切り込みを入れます。
次にジェットボイルで湯を沸かします。水量は三分の一程度にします。今回は蒸気発生が目的なので水は少なめです。1分程で沸騰し、大量の蒸気が出てきました。
パックごはんの容器の表側を下にして沸騰して蒸気が出ているジェットボイルにエイッとかぶせます。
直ぐにパックごはん容器の切り込みを通して蒸気が上がってきましたね。このまま2分間加熱させます。
ここまでジェットボイルの沸騰が1分、ご飯の蒸気蒸しが2分の合計3分ですね。手早いです。2分経過したので、取り出してごはんの温まり方を検証してみます。おおっ。十分温まっていますね。パックのカドの方も十分温まっています。電子レンジで温めた感じとそっくりですね。
お皿にご飯を盛りつけます。続けてジェットボイルでこのままレトルトカレーを湯煎します。飲料用のお湯は湯煎前にカップに取り分けておきましょうか。レトルトカレーも2分程度で十分温まりました。ご飯にかけて完成です。
ジェットボイルを起動するところからおよそ5分でカレーライスが完成しました。これは早いし手間も少ない。いいじゃないですか。
今回のケースでは、パックご飯の容器の底に切り込みを入れてしまったので、ご飯は別の皿に盛り付けました。
考察
メリット
- 沸騰までの時間が早い(およそ1分)ことから、蒸気準備が短時間で完了する。
- パックご飯の温め時間は、湯煎に比べて圧倒的に高速(湯煎は14分、蒸気は2分あれば十分)
- 蒸気準備からカレーライス完成まで5分とかからないので、この手法は十分実用的である。
- ジェットボイルは円筒(10センチ程)でパックご飯の中央部のみに蒸気が当たるが、2分程でもパックご飯の容器の隅まで十分温まることが判った。
デメリット
- パックご飯の容器の底に切り込みを入れてしまうので、そのまま容器を皿としては使いづらい。
パックご飯なら、十分ジェットボイルで蒸気蒸しができることが判りました。こうしてみると蒸気量はそこそこ豊富のようです。これなら普通の家庭用蒸し器も使えるかな?
検証2.家庭用蒸し器を使用して焼きそばを作ってみる
準備するもの
- ジェットボイル
- 家庭用蒸し器(21センチ径)と蒸し板
- 焼きそば麺、粉ソース、野菜など具材
- クッキングペーパー
まずはクッキングシートを敷いた蒸し器の上に焼きそば(蒸し麺)、具材(キャベツ、ソーセージ)をのせる。
次にジェットボイルで湯を沸かします。湯量は容器の三分の一程度。これも1分程で沸騰し始めます。
蒸し板をジェットボイルに乗せます。この蒸し板は、ジェットボイルに蒸し器を安定させて乗せるために使います。(通常は鍋に乗せるものですね)
こんな感じで蒸し器を乗せて蒸し始めます。
まずは3分間、蒸気蒸しをしてみますがキャベツやソーセージはまだ加熱が足らないようです。さらに3分蒸気蒸しをすると、具材もなんとか温まった感じですね。それから、長時間蒸気を出す場合はジェットボイルが空焚きにならないように気を付けないとね。
粉末ソースを塗して紅ショウガを添えて頂きます。出来はまあまあかな。
考察
メリット
- ジェットボイルと蒸し器があれば、手軽に屋外で蒸気蒸し料理ができる。シュウマイとかも出来そう。
デメリット
- 蒸し時間が掛かるものは、ジェットボイルの利点(高速蒸気発生による時間短縮)が生かされない。今回でいうと、野菜やソーセージなどは5分以上は蒸す必要がありそう。
- そもそもアウトドアでは木製の蒸し器は使い勝手がわるい(使用前に水でぬらすなど、蒸し器の使用にお作法があり、おおよそ「簡易に蒸気を利用した調理がしたい」という趣旨からは離れてしまう)
- 長時間の蒸気使用は、ジェットボイルの空焚きを心配する必要がある。
大きな蒸し器では蒸し器自体が扱いづらくなること、長時間蒸気蒸しではジェットボイルの高速蒸気発生というメリットを享受できないなど、マイナス点が目立ちますね。ならば、扱い易い小さい蒸し器を使って、短時間で簡易な蒸し料理ができればいいのかな?
検証3.セリアのステンレス裏ごし器(小)を蒸し器代用して肉まんを温める
セリアで見つけたステンレス裏ごし器(小)(径13センチ)は、お菓子作り用途のものなのですが径がジェットボイルにはジャストフィットするので流用してみます。
準備するもの
- ジェットボイル
- セリアのステンレス裏ごし器(小)
- クッキングシート
- アルミホイール
- 肉まん
同じようにジェットボイルで水を沸騰させ、蒸気の準備をする。セリアのステンレス裏ごし器(小)にクッキングシートを敷いて蒸し器の代用をする。中に肉まんをセットする。
アルミホイールで肉まんを覆い、ジェットボイルで2分間、蒸気蒸しする。すると上手に肉まんが完成しましたよ。
考察
蒸し容器の径が13センチなので大きなものは入らないが、例えば、
- 今回の様な肉まんやシュウマイ
- おにぎり
- 家から持ってきた冷たいごはん
などを同じ要領で簡単に温めることができる。また、パックご飯を一度パックから出してクッキングシートで包んで蒸してから再度容器に戻せば、パックご飯の容器を皿として再利用できそう。
蒸気蒸しの準備としては、蒸し容器にクッキングシートを敷くのみなので準備も片付けも簡単。上部はアルミホイールで覆うだけでも十分蒸気蒸しは可能でした。
まとめ
いかがだったでしょうか。ジェットボイルは湯沸かし専用で用いるのがジェットボイルの性能を享受できる唯一の使い方だと以前書きましたが、その延長で蒸気蒸しなら十分使えそうです。
特にパックご飯の蒸気加熱法は、湯煎などよりも少ない水と短い時間で可能なので、災害時のライフハックとしても知っておいて損は無いと思われます。
セリアのステンレス裏ごし器(小)は、アウトドアシーンでクッキングシートと共に準備しておけば、蒸し器の代用として十分使えるかなと思いました。この蒸し器代用品は、今回は蒸気源としてジェットボイルを使用しましたが、通常のクッカーでも同じように使えそうですね。
このようにジェットボイルは湯沸かしだけでなく、パックご飯温めや小さな蒸し料理にも十分使えますので、この記事を参考にしてじゃんじゃん使いまくってくださいね。ねこきんぐでした。