ねこきんぐ115のスパイダーを紹介します(前編)

今回は、ねこきんぐ115のスパイダーについて紹介してみたいと思います。

アルファロメオ・スパイダーって、色々な型の車があるんですよね。4Cスパイダーもアルファロメオ・スパイダーです。一般的に、アルファスパイダーって言って思い浮かべるのは、ちょっと古めのカエル顔の115系を思い浮かべる人が多いと思います。

ねこきんぐのアルファロメオ・スパイダーは、そんな115系と呼ばれる型式の、1988年式のシリーズ3です。

(参考リンク:115系スパイダーってどんな車なの?

この前編では、ねこきんぐのスパイダーの出自について考察します。後編では、ねこきんぐのスパイダー車体について、具体的に紹介します。

(参考リンク:ねこきんぐ115のスパイダーを紹介します(後編)

どこから来たのか?

アルファロメオはイタリアの自動車メーカーなのですが、この車ははたしてイタリア産なのでしょうか。

ねこきんぐは、平成4年(1992年)に環八沿いの当時勢いのあった、とあるモータースで4年落ちの平行輸入車として購入しました。(今はもう閉店してしまったようです)

この車はイタリア車ですが、購入したショップでは、アメリカから輸入してきました。このショップの販売チャンネルだったのでしょうね。

では、アメリカで生産された車なのでしょうか?製造プレートのようなものがあるので見てみます。

この製造プレートを見ると、MFD BY ALFA LANCIA INDUSTRIALE ITALY とあります。イタリアの工場で作られたのは間違いないようです。また、1987年7月の刻印があります。製造自体は1987年の生産品のようですね。

MFD BY ALFA LANCIA INDUSTRIALE- ITALY  FRONT  REAR  GVWR  THIS VEHICLE CONFORMS TO ALL APPLICABLE FEDERAL  MOTOR VEHICLE SAFETY, BUMPER AND THEFT  PREVENTION STANDARDS IN EFFECT ON THE DATE  OF MANUFACTURE SHOWN ABOVE.  • VIN  ZßOC59j6SJf  PASSENGER  CAR  VEHICLE EMISSION CONTROL  S INFORMATION  THIS VEHICLE CONFORMS TO U.S.EPA.  AND CALIFORNIA REGULATIONS  APPLICABLE TO 1988 MODEL YEAR  NEW MOTOR VEHICLES.  @ CATALYST- M.Y.

その下の英文を読むと、「このビークルは、・・」からは、当時の北米の車の安全基準やバンパーの規格やら盗難防止基準?に適合してます、みたいなことが記載されています。北米仕様車のようですね。

また、下側のオレンジのプレートには、アメリカとカルフォルニア州の排ガス規制に適合していますよ、触媒は88年適合のものです。といったようなことが書かれています。

アメリカの排ガス規格とカルフォルニア州の規格の、どちらにも合格しているということのようです。アメリカの排ガス規制は厳しいことでよく知られていますが、さらにUSA規格とカリフォルニア規格の2つ有って、なんだか今でも複雑のようです。ここでは北米輸出合格品であるというプレートなのでしょうね。

V.I.N.が刻印されているので、見てみましょう。

VINとは、vehicle Identification Number の略で、欧米での車体識別番号のことです。

日本でいうところの、車台番号になりますね。

みると、ZARBC5763J1******とあります。

ウィキでVINの見方を調べると、最初のZAは、イタリアを示しているそうです。また、10桁目のJは、1988年式のことのようです。登録は88年式ということでしょうか。

後半の6桁は、個別番号のようです。(写真では白塗りしときました)

VINは欧米の車体識別番号なんですが、北米から輸入されたこの車は、日本で登録するために別の識別番号が取られているようです。

車検証をみてみると、車台番号はZAR115410******* とあります。

VINとは似たような文字列ですが、ちょっと違いますね。

この番号は、workshop manualをみると、chassis numbering (シャーシー番号)のようです。また、製造工場で車体に刻印を入れているようです。

この文字列の中の115という数字が、すなわち、chassis のBasic type numberということで、この車が、115系であるという証になります。(*部分は連番になります)

日本の車検証ではVINではなく、こちらを採用しているようです。

きっと、プレートをくっつけているだけでは簡単に交換できてしまうのでVINでは許可できないのでしょう。

この番号は車体のどこにあるかというと、こんなところに刻印されていました。

な ( 們 5 イ 仙 ・

これならインチキできませんね。

北米販売時の考察

またこの車には、メンテナンスプログラムという販売元発行の小冊子が購入時に添付されていました。これは新車購入者に対してのメンテナンス無料クーポンとかディーラー連絡先を記載したブローチャーのようです。日本で中古で購入したねこきんぐは使えませんが、中古外車屋から車と一緒に納入してくれたものです。

MAINTENANCE  PROGRAM  version — 1988%e1vear  injection  S iderVeIoce

ここにもVINが手書きで記載されていました。見るとねこきんぐの車のプレートのVINと合致していました。この小冊子は、この車両のものに間違いないようです。

小冊子の中を見ると、新車契約者の氏名や、契約日とかが記載されています。

これによると、契約日(purchase date)は、1988年10月22日とあります。

また契約者は、ミッシェルさんといって、女性の方のようです。(白塗りしてますけど)

販売店名は、Max of Swtzerlandと読めます。ググると、imported carsとありましたので、輸入車販売店なのでしょう。

ここで購入し、その後この女性は、なんらかの理由でこの車を手放したということでしょうか。

ちなみに、この冊子にお問い合わせ先がありました。それには、ニュージャージー州のイングルウッドクリフとあります。ここが当時の販売店の住所なんでしょうね。

この住所をググると、現在はFerrari North America Incとあります。フェラーリのディーラーになってました。

まとめ

こうしてみると、この車は1987年に北米仕様車としてイタリアで製造され、翌年、ニュージャージー州のイングルウッドクリフで登録・販売されました。1988年にミシェルさんという女性に購入されましたが、数年で手放されたようです。その後、誰かの手に渡ったかどうかは判りませんが、1992年3月に日本の中古業者を介してねこきんぐの手に渡りました。そして1992年の6月に船便ではるばる日本へやってきて2021年の現在に至る、ということになります。

なんか、グローバルですね。

実は、ねこきんぐは中古車販売店で、まだ北米に置いてあるこの車の写真だけ見て、購入を決めてしまいました。

購入当時のどたばたは、カテゴリー「ねこきんぐの憂鬱」にまとめていますので、よろしければご覧ください。

後編では、この車両について、具体的に説明します。

(参考リンク:ねこきんぐ115のスパイダーを紹介します(後編)

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