今回の金言 知らない人に車を触らせてはいけないのだ
30年前当時のガソリンスタンド事情です。
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ねこきんぐの憂鬱とは・・およそ30年前の、困ったイタ車に振り回されていた頃の体験談です。当時、憂鬱だった記憶を今回、忘備録として纏めてみました。皆、過去の話ですので、生暖かい目でみてやってくださいな。
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今を去ること30年前の1990年代は、ガソリンスタンドに「セルフ給油」というスタイルは存在していなかった。どの店でも店員さんがスタンバイしていて、スタンドに車を入ると店員さんがわらわらと出てきて、窓を拭いたりガソリンを入れてくれる。
当時、ねこきんぐはこのガソリン補給というのが、ちょっと憂鬱だったのだ。
何故かというと、ねこきんぐの115スパイダーは、ガソリンを入れるところのフタ(フューエルキャップ)の構造が、他車とはちょっと違っていたからなのだ。
単なるネジ蓋構造(くるくる回して開閉するやつ)で、なんどもなんども回して開閉しなければならない。
で、そのネジ蓋も、なんだかネジが細かくて、蓋をきちんとねじ山に篏合させて回さないと、すぐにかじってしまうような神経質な構造だったのだ。
初めてこのフューエルキャップを見たときは、いつの時代の車なんだよと思ったものだ(設計は1960年代のものだが、ここは改良しとけよと強く言いたい)
30年前の国産車でもこんな構造は淘汰されている。どの車も半回転で開閉出来るのがあたりまえだ。
で、当時のガソリンスタンドの話である
その頃はガソリンスタンド全盛時代で、どんな田舎のスタンドでも大勢の店員がいたものだ。また、高校生のアルバイトなんかもふつうに働いていた。
車をスタンドに入れると、ガソリンを入れるために数人がかりで車を取り囲んでくる。その中の1人の店員がフューエルキャップを開ける担当をするのだが、そこからちょっと憂鬱になる。
店員の様子を見ていると、「なんだこれ、どうやって開けるんだ」から始まり、閉めるときには「うまく嵌らないぞ」で終わることが日常的なのだ。
最初のうちは、開け方に悩む店員には声を掛けようか掛けまいか悩んだけど、でもいくらなんでも見ればわかるよね、ということで憂鬱ながらも、蓋の開閉は店員に任せていた。
ある日のスタンド。女子高生バイトと思われるニコニコ顔の店員が対応してくれた。
元気いっぱいでニコニコしながらフューエルキャップを開けて、給油を始めた。
それまでの経験から、開けるときに蓋がぐるぐる回すネジタイプとわかれば、閉める時にもぐるぐると回して取り付けることぐらい、誰でも理解できることをねこきんぐは経験則で学んでいた。
だが、この女子高生バイトは、キャップを開けた時の記憶を喪失していたらしい。
蓋を閉める際に、蓋をわしづかみにすると、力任せに押し付けて「エイッ」とひねったのである。閉まらないわ?どうしてかしら。もいちど「エイッ」おかしいわ?
見ていたねこきんぐは、車内で飛び上がってしまった。
思わず車から転がり出て、やめれーやめれーと叫んでしまった。
当惑する女子高生バイトから慌てて蓋を奪うと、現状確認をする。ねじ山はかなりのダメージを受けたようだ。バリが凄いぞ。
何度かねじ山を篏合させてバリを取り除き、かじりながらも蓋をすることが出来た。
ここでねじ山つぶしてフューエルキャップ使えなくなったら、もう、どうしていいのか考えもつかない。
この女子高生バイトは、蓋のことなど何も無かった顔で、青くなっているねこきんぐに平然と4980円です、などとレシートを持ってきた。
このトラウマによりそれ以降、ねこきんぐはスタンドでは自ら車を降りてフューエルキャップを開けて、給油終了後に、自ら閉める、を繰り返すことになる。
当時は運転手が自らフューエルキャップを開けるなんてことは、あまりやらない事だったので、こんどは店員らに煙たがられてしまい、憂鬱となるのである。
現在では基本的にセルフ給油を選ぶが、どうしてもセルフが無いところで入れるときは、まず降りて自らキャップの開閉をすることにしている。
今ではスタンドに入るときには「へんなわからん車が来た」と怪しまれるので、自らキャップを開閉すると、当時とは逆に店員にありがたがられることになる。
多くの店員からは、よくわからん車は触りたくないオーラがでているのが判るので丁度いいのである。
スタンドの店員の対応にも時代の変化を感じるのだ。次回に続きます。