憂鬱の12_ガソリンスタンドも憂鬱だったのだ

今回の金言 知らない人に車を触らせてはいけないのだ

30年前当時のガソリンスタンド事情です。

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ねこきんぐの憂鬱とは・・およそ30年前の、困ったイタ車に振り回されていた頃の体験談です。当時、憂鬱だった記憶を今回、忘備録として纏めてみました。皆、過去の話ですので、生暖かい目でみてやってくださいな。

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今を去ること30年前の1990年代は、ガソリンスタンドに「セルフ給油」というスタイルは存在していなかった。どの店でも店員さんがスタンバイしていて、スタンドに車を入ると店員さんがわらわらと出てきて、窓を拭いたりガソリンを入れてくれる。

当時、ねこきんぐはこのガソリン補給というのが、ちょっと憂鬱だったのだ。

何故かというと、ねこきんぐの115スパイダーは、ガソリンを入れるところのフタ(フューエルキャップ)の構造が、他車とはちょっと違っていたからなのだ。

単なるネジ蓋構造(くるくる回して開閉するやつ)で、なんどもなんども回して開閉しなければならない。

で、そのネジ蓋も、なんだかネジが細かくて、蓋をきちんとねじ山に篏合させて回さないと、すぐにかじってしまうような神経質な構造だったのだ。

初めてこのフューエルキャップを見たときは、いつの時代の車なんだよと思ったものだ(設計は1960年代のものだが、ここは改良しとけよと強く言いたい)

30年前の国産車でもこんな構造は淘汰されている。どの車も半回転で開閉出来るのがあたりまえだ。

で、当時のガソリンスタンドの話である

その頃はガソリンスタンド全盛時代で、どんな田舎のスタンドでも大勢の店員がいたものだ。また、高校生のアルバイトなんかもふつうに働いていた。

車をスタンドに入れると、ガソリンを入れるために数人がかりで車を取り囲んでくる。その中の1人の店員がフューエルキャップを開ける担当をするのだが、そこからちょっと憂鬱になる。

店員の様子を見ていると、「なんだこれ、どうやって開けるんだ」から始まり、閉めるときには「うまく嵌らないぞ」で終わることが日常的なのだ。

最初のうちは、開け方に悩む店員には声を掛けようか掛けまいか悩んだけど、でもいくらなんでも見ればわかるよね、ということで憂鬱ながらも、蓋の開閉は店員に任せていた。

ある日のスタンド。女子高生バイトと思われるニコニコ顔の店員が対応してくれた。

元気いっぱいでニコニコしながらフューエルキャップを開けて、給油を始めた。

それまでの経験から、開けるときに蓋がぐるぐる回すネジタイプとわかれば、閉める時にもぐるぐると回して取り付けることぐらい、誰でも理解できることをねこきんぐは経験則で学んでいた。

だが、この女子高生バイトは、キャップを開けた時の記憶を喪失していたらしい。

蓋を閉める際に、蓋をわしづかみにすると、力任せに押し付けて「エイッ」とひねったのである。閉まらないわ?どうしてかしら。もいちど「エイッ」おかしいわ?

見ていたねこきんぐは、車内で飛び上がってしまった。

思わず車から転がり出て、やめれーやめれーと叫んでしまった。

当惑する女子高生バイトから慌てて蓋を奪うと、現状確認をする。ねじ山はかなりのダメージを受けたようだ。バリが凄いぞ。

何度かねじ山を篏合させてバリを取り除き、かじりながらも蓋をすることが出来た。

ここでねじ山つぶしてフューエルキャップ使えなくなったら、もう、どうしていいのか考えもつかない。

この女子高生バイトは、蓋のことなど何も無かった顔で、青くなっているねこきんぐに平然と4980円です、などとレシートを持ってきた。

このトラウマによりそれ以降、ねこきんぐはスタンドでは自ら車を降りてフューエルキャップを開けて、給油終了後に、自ら閉める、を繰り返すことになる。

当時は運転手が自らフューエルキャップを開けるなんてことは、あまりやらない事だったので、こんどは店員らに煙たがられてしまい、憂鬱となるのである。

現在では基本的にセルフ給油を選ぶが、どうしてもセルフが無いところで入れるときは、まず降りて自らキャップの開閉をすることにしている。

今ではスタンドに入るときには「へんなわからん車が来た」と怪しまれるので、自らキャップを開閉すると、当時とは逆に店員にありがたがられることになる。

多くの店員からは、よくわからん車は触りたくないオーラがでているのが判るので丁度いいのである。

スタンドの店員の対応にも時代の変化を感じるのだ。次回に続きます。

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