憂鬱の3_乗って帰るだけでぐらぐらなのだ

今回の金言 中古外車を納車する時は、状態をきちんと確認しないとだめなのだ

中古外車屋でスパイダーを納車するところからです。

(前回のリンク:憂鬱の2_船便で来るのを首を長くして待つのだ

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ねこきんぐの憂鬱とは・・およそ30年前の、困ったイタ車に振り回されていた頃の体験談です。当時、憂鬱だった記憶を今回、忘備録として纏めてみました。皆、過去の話ですので、生暖かい目でみてやってくださいな。

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ねこきんぐのスパイダーの船便が付いた、との連絡が入り、満を持してAモータースに車を受け取りに行くことになった。

既に月日は流れ、1992年はもう6月になっていた。3月末には入庫すると言っていたのにね。船便というのはそういうものなのか?

そういえば、左ハンドルのマニュアル車だっけ。はたして、ねこきんぐに運転できるのか?一抹の不安も胸に秘め、例の環八沿いのAモータースに常磐線に揺られながら一路向かったのである。

ねこきんぐが購入したアルファロメオ・スパイダーはもちろんイタリア車なのだが、この車は北米仕様なのだそうだ。

そういえば、USAから輸入するとか言ってたよな。北米仕様車って、なんかどっか違うのかな?(当時は欧州仕様とか北米仕様とか、どう違うのかが全く判ってませんでした)

(この辺の話はこちらから:ねこきんぐ115のスパイダーを紹介します(前編)

Aモータースに到着すると、玄関には既にそやつが停車していて、ねこきんぐをじっと待っていた。

こいつか。

写真では見ていたが、実物は初対面である。まあ当然だが。

外観はそこそこきれいだ。また、写真で見るよりも、青メタはいい感じだ。

4年落ちのヤレはあるが、そんなの想定内だ。

店員のAさんは、車について説明してくれる。ほう。エンジンキーとドアのキーは、別なのね。

また、この車は3点式シートベルトが電動式となっていて、ドアの開閉と連動するギミックになっていた。

ほうほう。そうなんだ。初めて見るね。

Aさんは、おもむろにドアを開して、このシートベルトがこんな風に動くんですよ、と実演してくれる。ところが、途中で止まってしまったりと、ちゃんと動かない。ん?どうした。

ん、動かないね?って、ちゃんと普通に動作しないのか?

Aさんは動じずに、「こういうこともよくあるので、2点式も用意してあります」と、さもふつうだよ、みたいな顔をして、いかにも後付けのような2点式のシートベルトをシートの後ろから引っ張り出した。

2点式のシートベルトも何気についているのか?そういうものか?

Aさんは、しらっとドアの開閉を繰り返す。あ、こんどは電動でちゃんと動いた。

一抹の不安も、納車のうれしさには影をひそめる。

なにか、ここで引き下がってはいけない気もしたが、イタ車なればそうかもしれないという、イタ車イメージで無理に納得させてしまったねこきんぐであった。

そんな事もあったが、どうにかこうにか事務処理を終わらせて店を出て乗って帰ることになった。

環八から首都高速、常磐自動車道を走り抜け、茨城県はH市まで戻ることになる。まあ、150kmほどか。車に慣れるには、ちょうどよい距離だ。

初めての左ハンドルで、東京都心を突っ切るところからスタートする。

「右に寄りそうになったら、道路の左側の白線を目印に、走ってください」

Aさんに左ハンドル車運転の極意を伝授され、不慣れな操作で走り出す。

よろよろと、都心を走る水戸ナンバーの115系スパイダー。

途中、何度もバコン、バコンとドアに左腕をたたきつけてしまう。

どうしても左腕がシフト操作しようとして、シフトレバーを探しに動いてしまうのだ。

しょうがないので、右手でシフトレバーをしばらくつかんだまま、運転してみた。

すると、30分程度で右手シフト操作も慣れてきた。よしよし。いけるかも。

左ハンドルは、右折する時に注意が必要だ。対向右折車がいると直進車が見ずらい。体を右に乗り出して前方を確認する必要がある。これは注意しないとな。

そんなことをしているうちに、時間はすでに夕方。ヘッドライトを点灯してみる。

ところがヘッドライトが暗い。これがめっちゃくらい。

インパネのライトもめっちゃくらい。(点灯しているのか?)

また、なんか後輪のほうから異音しないか?

そうこうしているうちに、高速料金所まできた。

料金所のおじさんに走行券をもらおうと、一時停止して右側のウィンドウを下げる。(当時は未だETCが無かったからね)

あ、なんかパワーウインドの動きがおかしい。10センチぐらい下げたところで止まったし。

料金所のおじさんは、早く受け取れと手を伸ばしている。

ちょっとこれでは左ハンドル車なので右手を延ばしても届かないし、仕方がないので車を降りて、おじさんから走行券を受け取る。よもや料金所で車を降りる羽目になるとは。

後ろの車から白い目で見られているような気がする。いや気のせいだ。気にするな。

乗り込んでドアを閉めると、こんどはシートベルトが動かない。おいおい、今、納車したばかりなんですけど。

いやいや、こんな車、買っちゃって良かったのか?

早くも悪い予感に襲われ始めたが、今は運転して帰ることで精一杯のねこきんぐだったのです。

次回に続きます。

(次回リンク:憂鬱の4_イタ車に細かい故障は付きものなのだ

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