憂鬱の9_八潮インターでお騒がせ

今回の金言 ドライバーはみな、判り合えるのだ

今回は高速道路での憂鬱な出来事なのです。

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ねこきんぐの憂鬱とは・・およそ30年前の、困ったイタ車に振り回されていた頃の体験談です。当時、憂鬱だった記憶を今回、忘備録として纏めてみました。皆、過去の話ですので、生暖かい目でみてやってくださいな。

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夏は、115スパイダーにとって、水温上昇が気になる季節である。

購入翌年の1993年の夏のある日、ねこきんぐは、115スパイダーで常磐高速道を東京に向かって走っていた。何が目的だったのかは、もう記憶にない。

記憶にあるのは、この日は炎天下の日曜日だったことだ。

当時のねこきんぐのスパイダーは、平時でも水温が少し高めであった。

当時は気温が低くても、水温計はいつも高い値を指していたのです。本当に水温が高めなのか、水温計が悪くて少し高めに指示しているだけなのか、とても気になっていた。

そんなベースが高めの水温計の指示は、夏場になるとさらに上昇する傾向が見られていた。

常磐道を走行中、ねこきんぐは今日の水温が、普段よりも高いことに気が付き始めていた。

「まずいな」速度を下げてエンジンの回転数を下げてみる。これで少し様子を見よう。

常磐高速から首都高速の入り口が近づき、減速・渋滞が始まると、水温が更に上昇してきた。というか、もう水温計、いつのまにか振り切ってますし。

これはねこきんぐのような素人が見ても、何が起こっているか判る。オーバーヒートというやつに違いない。

オーバーヒートとは、エンジンの冷却水が高温になりエンジンを冷やせなくなってしまうことだ。そのままにしておくと、エンジンが壊れたり、ラジエターが吹っ飛んで蒸気が吹き上がる。(か、どうか知りませんが、ねこきんぐが持つイメージは、そんな感じだ)

非常にまずい事態になった、とねこきんぐは思った。既に車線は渋滞している。のろのろと前に進むしかない。だが、この先は、さらに大渋滞中の八潮料金所だ。

あんなところでエンコしてしまったら。。。。

八潮料金所の大渋滞のど真ん中で、ラジエターから白煙を吹いてエンコするスパイダー。傍らに呆然と立ちすくむ、ねこきんぐ。

近未来の恐ろしい映像が頭をかすめた。

なにか応急処置として、出来そうなことを実行してみる。

そうだ、エンジンルーム内の高温を外に逃がすために、デフレクターを入れてみよう。車内はめちゃめちゃ温度上がるが、窓を全開にして温度を逃がそう。ここは我慢のしどころだ。

でも水温計には変化は無い。そんなことでは水温は下がらないのだ。

ねこきんぐは決断した。一度、どこかで停車するしかない。停車してボンネットを開放しよう。

幸いなことに、上り線は八潮料金所を入ってすぐ左手に、PA(パーキングエリア)がある。そこに入ろう。それしかない。

PAに入るには、料金所のゲートを出てすぐに、一番左端に寄らなければならない。

ところが、渋滞にはまっていたねこきんぐは、どういう訳か、料金所入口のゲート列の一番右端にいた。この渋滞の中、料金所を出た瞬間に一番左端まで移動しなけらばならない。

できるのか?この大混雑の中を斜め横断とか、できるのか?

料金所を出て、車線合流場所で車同士がもみ合っている中、イチかバチか、ハザードを付けて、窓から手を出して、左に行きたいジェスチャーをした。

するとどうだ。

周囲の車は、モーゼが今から海を渡りますよ と言われたが如く、するすると道を開けてくれた。

「こいつ、こわれたんだなw」

「まだ火は出ていないようだが、こんな車に巻き込まれたくないぞ」

「PAに、逃げこむらしいぞww」

まあ、見るからにあやしい外車でしたからね。周囲の人は、すぐに事情を察してくれたのでしょう。

そのおかげで、エンストする前になんとか八潮PAにたどり着くことができた。道を譲ってくれたみなさん、ありがとう。

しばらくボンネットを開放して、ねこきんぐはエンジンを冷却しながら思った。

「これはもう、しかるべきどこかで、ちゃんと診てもらう必要があるな」

憂鬱は、まだまだ続きます。(次回へ続く)

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